北沢峠~仙水峠~甲斐駒ヶ岳~双児山~北沢峠(やまびこ荘泊)~小仙丈ヶ岳~仙丈ヶ岳~藪沢小屋~北沢峠
北沢峠を基点に、甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳をそれぞれ日帰りで登る南アルプスの定番コースです。
(2023.7.26~7.27)
一日目。北沢峠を発ち、針葉樹林の苔むした道を進みます。
仙水峠を過ぎるといよいよあらわになる、ド迫力の甲斐駒ヶ岳。
山頂直下で登山道が分岐します。どうせならと直登コース(経験者向き)を選択しました。両手両足をフル稼働させながら頂上を目指します。
しばらく登って振り向くとこんな感じ。前にも後ろにも登山者は見当たらず、孤独な奮闘が続きます。
ミヤマキンバイでしょうか。足元の花に癒されながら慎重に高度を稼ぎます。
登ってきた尾根を目でたどるだけで足がすくみます(元来、臆病者なのです…)。
やっとの思いで山頂にたどり着きましたが、残念ながら視界はなし。
下山は安全な巻き道を利用しました。ミヤマツメクサにカメラを向けていると折り良く登山者の姿が。
オンダテの地味な色合いも乳白色のキャンバスでは引き立ちます。
霧に浮かぶ六方石、なんとも幻想的。
わずかな時間、晴れ間がさしました。こうして見返すと、いかにもゴツゴツして手強い山だったこと。今夜はぐっすり眠れそう。
二日目。北沢峠を出発して2時間、甲斐駒ヶ岳が見える位置まで登ってきました。左肩のはるか向こうには八ヶ岳も見えます。
東に目を転じると、一昨年登った鳳凰三山。オベリスク(左端のとんがり)がひときわ目立っています。
本日の目的は仙丈ヶ岳。まずは前衛となる小仙丈ヶ岳を目指します。
小仙丈ヶ岳から望む仙丈ヶ岳。雄大なカールをたたえ、その優雅なたたずまいから「南アルプスの女王」と称されます。
看板には仙丈ヶ岳まで20分とあります。先ほどまでの快晴はどこへやら、一気にガスが立ち込めてきました。
こんな天候ならと期待しながら歩いていると…出ました、ライチョウです。ちょこまかと動き回る三羽のヒナと心配そうに見守る母鳥の群れでした。
モフモフで可愛らしいのに足は太くてたくましいのです。
仙丈ヶ岳の山頂も昨日と同様、ガスで視界なし。景色はあきらめ、花を愛でながら下ることにしました(そうです、ここは花の百名山)。まずはチシマギキョウです。
ミネウスユキソウ
ミヤマダイコンソウ
ヨツバシオガマ
下山途中で山頂方面を見上げます。通過してきた仙丈小屋が見て取れます。
藪沢小屋周辺では数多くの山野草を見ることができます。とりわけマルバダケブキの群生はお見事でした。
ハクサンフウロ
クルマユリ
このような美しい沢を何度も渡渉するうちに五合目地点に合流します。あとはバスの時間に間に合うよう、ひたすら下るだけ。
対照的な二つの山(しかも日本百名山!)を二日間でめぐる、充実の山旅でした。
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